自然界に存在する形を造形することに努めています。オブジェは、岩石、溶岩、古木、鉄が高温にさらされ溶解していく自然現象の表現です。仕上がりは堅く、オブジェが熔けた後に固形化したイメージ。それは柔かい粘土が乾燥し堅くなり、窯の中で再度高温で熱せられ、柔かくなった後に冷め堅くなる、といった過程を踏み、初めて陶器(作品)になる陶芸の作業工程と同様であり、オブジェの表面の装飾がその自然現象を表現しています。

 

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織部鉄彩大鉢
直径32cmx高さ12cm 食器

2015年

伝統釉である「織部」の研究に従事している。独学で導き出した相性の良い素地には「黄の瀬」を使っている。釉薬は美濃、素地は信楽という「融合」をテーマにした器である。

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信楽黄ノ瀬抹茶碗
直径13cm×高さ12cm  茶器
2015年

信楽で採れる希少な「黄の瀬」土に自然灰(甲州松灰)を施す。ロクロ成形でできる手跡をいかすことで灰を纏った際の視覚的変化を狙い、また焼く段階で時折現れる「御本」とのバランスを考えた。

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青磁ぐい呑み
直径7cm×高さ7cm 酒器
2010年

有田焼で使う良質な「天草陶石」と長年研究してきた「青磁釉」の相性を試験する為に制作した「ぐいのみ」。還元焼成での焼き具合が大きく左右する「青磁」は今後も更なる研究が必要だ。

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粉引線刻徳利
直径9cm×高さ15cm  酒器
2008年

「白絵土」をベースとした「白化粧」の試験の為に制作した徳利。素地との収縮率の問題をクリアーして初めて美味い酒が呑める。

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信楽灰被四方花器
15cm×15cm×高さ40cm  花器
2005年

「古信楽」の荒々しさに抗うように成形した花器。シンプルに灰を被せることで稜線を強調してできた花器は、花器というより「陶彫」のようなイメージである。

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丹波斑目白化粧注器
11cm×18cm×高さ12cm  注器
2015年

新しく導入した「丹波土」の試験作品。表面に浮き出てくる斑文をいかすべく、自由度の高い造形を選択することになった。形こそ注器ではあるが、あくまで形と色彩とのイメージの合致の結果が最優先であった。

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粉引波印耳付花器
直径13cm×高さ31cm
2014年

新しく制作した白化粧のテストとしての花器。化粧を美しく見せる為には表面に濃度の薄い石灰釉を施すのがベストだが、花を活けた際に水が染み出るので「水留め」をして使用。実用で耐えうる試験は必要である。

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藁灰彫紋抹茶碗
直径16cm×高さ10cm
2015年

良質の藁灰が手に入ったので釉調合せず、単味で纏わせ表現とした。融点の高い藁灰は窯の中で融け切らず、表面が釉薬化しないことが予想され、予定通り茶点ての良い「見込み」を備えることができた。

 

Objet d’art

 

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月殻
21cm×64cm×高さ17cm
2014年

闇夜に浮かぶ三日月の真実の姿を表現。照らされることなのない三日月の地表は超低温で覆われている。陶土と黒鉄釉を使った零度の表現は陶器を高温で焼く行為と相反するものだ。それを思い浮かべてイメージし成形する醍醐味を想像してもらいたい。

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SHIELD FALL
23cm×27cmx高さ58cm
2013年

渓谷に流れる滝をイメージ。爽快なイメージの滝ではなく、流れ落ちる水流が枯れた滝の姿。そこには爽快とは打って変わり、岩肌を露にしゴツゴツとした頑強な姿が見えてくるはずだ。硬質な岩肌はさながら強度の象徴「盾」のようなインスピレーションjを受ける。

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昇渦
12cm×22cmx高さ56cm
2011年

高温に晒された溶岩が冷え固まり、凝縮そして渦を巻くように隆起した姿のイメージ。長年の風化を経て最終的な姿となる。流動化→硬化→風化という三つの形態の時間経過を表現した。

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FLY SHELL
31cm×34cmx高さ37cm
2011年

作者が好む「硬い」表現から 有機的な「柔らかい」表現を模索した結果、硬さと柔らかさ両方の質感を持ち合わせている「貝」を題材として制作した。動きが少ない貝に躍動感を出す為に跳躍した姿を見せることに。動かない「無」のイメージ跳躍する「有」のイメージ、これも作品の中に相反するイメージを共存させるテーマに合致している。

 

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